メイキング・オブ「十番の夜」! 第2弾 パート8

フットボールライフ・ゼロvol.2の「十番の夜」の未収録部分を大公開! 【パート8】

※今回からは「フットボールライフ・ゼロ vol.2」の誌面ではお伝えすることができなかった「十番の夜」の未収録部分を公開しちゃいます!

未収録コーナー


※練習を非公開にするクラブの姿勢について話し合い始める4人。「結果よりも試合までの過程を伝えたい」という海江田さんにとっては、非公開練習にはどうも納得がいかない様子。非公開練習を打ち出すクラブ側と、取材する側の立場の人間にはどんな考え方の違いがあるのだろうか。


登場人物;
=えのきどいちろう  =海江田哲朗  =中山淳(編集長)  =後藤伸二(本誌スタッフ)



 ところで、非公開練習についてみなさんどう思います? 最近、結構話題になってるじゃないですか。僕はそれに対するスタンスを決めかねているんです。高木監督も「だって、みなさん責任取ってくださらないでしょ」って言うし。

 僕は1日だけの非公開はアリだと思うんです。例えば試合前なら1週間の中で1日だけは絶対に見せないっていう日があっても良いと。でも、それ以外はプロなんだから見せるべきだし、見せたくないっていうことは多分、自信がないっていうことだと思うんですよね。

 高木監督は「これが今のサッカーのスタンダードですよ、ヨーロッパでもこうですよ」って言うんですけど、「ここは日本なんですけど、監督」って思ったりもするし。

 もちろんヨーロッパでもメディアは取材に来ないでくれっていうか、オープンにしない日はあるんですけど、それは1週間の中で1日くらいですよね。余程の緊急事態だったら2日、3日もあるかもしれないですけど。基本的に非公開は1週間の中で1日ですね。

 じゃあスタンダードじゃないんですね。

 だと思いますね。イングランドだと選手から離れて遠くから写真を撮ってくれとか、それが終わったら帰ってくれとか、そういうことはありますけど。これはジャーナリスト的な視点かもしれないですけど、クローズにしているときにクラブが何をしているか、そのポイントだけだと思うんですよね。

例えば、日本代表が明日のバーレーン戦に「4-3-3」で臨むとします。
一昨日オープンのとき「4-4-2」だったら、まあ今日のクローズもアリだと思うんですけど。おそらく昨日のオープンで「4-3-3」でやるということは、岡田さんの性格からして明日の試合で素直に「4-3-3」でやるってことはないような気もするんですよ。

もしそこで「4-3-3」をするなら、前日にクローズにする意味は何なんだ、と。そういうことになるんです。
それに隠さなきゃいけないポイントも決まっているはずなんですよ。セットプレーとか、奇襲をかけるときとか。

 ただ流行ってるからってだけで隠しちゃってもね。

 結局、僕らもそうですけど、仕事で楽をしようと思えば、削ればいいものってあるじゃないですか。でも削るといけない部分ってあると思うんですよね。
例えば本を売りたいときに削らなきゃいけないところとか。楽をしようと思ったら、やることってどんどん狭まってくるんじゃないかなと。

そういう意味では、岡田監督はプロ意識が欠けているんじゃないのって。
大体この前のオーストラリア戦を見て、クローズする意味は何なのって思っちゃうじゃないですか。

 大胆に裏切ってくれるならまだ良いですけどね。

 そうなんです、それだったら納得できるんですよ。それに取材する側も、これは書いちゃいけないっていう判断をしなきゃいけないところはあるわけですから。

 海江田さんは非公開練習についてどう思うのかって、知り合いのライターに聞いたりするんですか?

 聞いてみると「どうにかならんかね」っていう論調ですね、僕の周りでは。だって、メンバーを隠したいって言っても、そんなびっくりするほどの代わりのメンバーがいるわけでもないし。こっちもメンバーは把握してるわけですし。

ただでさえメディア縮小の中、自分たちの立場の人間がちょっといやらしく聞こえるのもあるんですよね。そんな声高に言うつもりはないんですけど、そこまで隠すこともない。
だから石崎さんのように「いいよ、見に来いよ」っていうスタイルは、取材する側からすると、そりゃ歓迎されますよね。

 多分ライターって練習を見たことで何かが繋がるっていうか、発想論っていうかさ。体温が少しずつ上がっていく感じっていうか。そこがないとダメっていうか、それは必要だったりもしますよね。

 そこで拾ったものが後になって意外と役立つことも稀にありますしね。でもそんなことをやってもクラブにはなかなか理解してもらえないのかな。

 海江田さんが非公開練習をやめて欲しいって思ってるかわからないですけど、もっとオープンにして欲しい理由はどこにありますか?

 自分の立場からすると、もっといろんなものを見たいし。僕は、結果よりも、「どんな風に」っていう、過程の方が面白いんです。

試合は結果ですから見るところも限られちゃいますけど、試合までの過程で試行錯誤があるじゃないですか、本当はこういうことをやりたかったけど、できなかったからこうなったんだとか。

その過程を知っておいた方が、よりいろんなものが書けるっていうか。メンバーが知りたいとかそういうのじゃなくて、要するに、書く側からすると何か窮屈なんですよね。

原稿でクラブのチェックが必要な原稿もありますし。これは笑いで済ませられるかって思って、ちょっと笑いの要素を入れても、クラブ側にしたらは笑えないことだったり。
こっちの力不足な面もあるとは思いますけど。結局、みんなボロを出さないように一生懸命で。丸く収めたがっている。

こっちとしては破れかぶれのところが面白かったりもするんですけど。面白ければ良いのかって言われると何もいえないですけど(笑)。

 岡田監督ももっと楽にやればいいのにって思いますもんね。人間、ミスはするわけですから、それを必死で取り繕おうとして遮断するんじゃなくて、「いやすみません、間違っちゃいました。あそこの交代はこうすれば良かったんですけど。まあそれは反省してるんで」って。
軽くじゃないけど、それぐらいあってもね。

はっきり言って、日本がW杯に出られなかったところでこの世が終わるわけでもないですし、それで露出が溢れてみんながサッカーの楽しみ方をいっぱい覚えるんだったら、その方が良いのかなって。

 そういう監督って誰?

 そういう意味で言うと、大木さんなんかは。何て言うのかな、対応が上手いとはいえない面もありますけど。勝手に自分だけが分かっているようなコメントを、わざとみんなの前で「サッカーはエンタテインメントなんで」とか言ったりして。
「エンタテインメントだから選手交代したんですか?」って質問されて、「いや、それは僕の練習を見てもらえばわかるんですけどね」っていうような返しで。
オシムさんもコメントは面白いと思うんですよ。だからそういうのがあった方が良いのかなと。モウリーニョなんてまさにそうですよね。

そこに良い悪いってないような気がするんですよ。当たり前ですけど、サッカーに対してみんないろんな意見があるんだから。でもそれを盛り上げるテクニックっていうか、確信犯なんだと思うんですよ、みんな。

 「すべて監督の責任です」みたいなことを言っているけど、そう言っているわりには責任取ってないな、みたいな。

 そうそう。

 わりと無責任だなって思いますよね。だからどうするっていうのがないから。「選手に非はない」みたいなことは言ってるけど。

 だからそこは、プロかアマかっていうところで言ったら、岡田監督の場合はまだプロになりきってないというか、サッカー協会の官僚的、サラリーマン的な。別にボロを出してもいいじゃん、それでファンが増えれば、みたいになれば良いのに。とは言ってもやってる本人はそうもいかないんでしょうけどね。そういう面では、石崎さんは良いですよね。

 石崎さんは楽しい人だよね。でも、人それぞれ芸風っていうのもあるからね。

 石崎さんって、言葉は悪いですけど「人たらし」みたいな感じですね。何か好きになっちゃいますよね。

 そうですね。選手はみんな、「石さん、石さん」って慕っているじゃないですか。良い人なんだろうなって思いますよね。そういう人だとファンもつくし。

 えのきどさんは、「この監督のサッカーなら面白い」っていうのは? 今年(2009年)は新潟を見られることになりましたけど、石崎さん以外で、面白いなっていう人物はいますか?

 原さんかな。

 原さん、よくあの仕事引き受けましたよね。よくやりますねって言い方も変ですけど。あの人はあの人で面白がろうとしてるんですかね? こっちは面白ことがありそうだ、と。

 何だかんだ言ってあの人は責任感があって、日本サッカーを何とかしなくちゃって思ってますよ。

 使命感みたいのがあるんですかね。

 そうだと思うな。

 きっと芝の匂いが恋しいんですよね、原さん。

 そうかもね、そういう人だもんね。



≪第2弾 パート8 了≫

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